企業の業務プロセス管理において、システムの継続性と信頼性は極めて重要です。Flowable Engine をクラスタ構成で導入することで、高 concurrent なアクセスやノード障害発生時에도安定的な稼働を維持できます。本稿では、Flowable Engine を用いた高可用性クラスタの構築手順と重要な設定項目について解説します。
1. クラスタ構成の基本原則
Flowable Engine のクラスタ化において最も重要なのは、各ノードがステートレスに動作し、リソースを共有できることです。分散環境での競合を防ぐため、各インスタンスには固有の識別子を設定する必要があります。特に非同期ジョブ実行器に関しては、クラスタ内で重複しない名称を付与することが必須条件となります。
2. 共有データベースの設計
全ノードが同一のデータベースインスタンスに接続することで、データ整合性を保証します。本番環境では、MySQL のレプリケーション構成や PostgreSQL クラスタなど、可用性の高い数据库ソリューションの採用を推奨します。接続プール設定は、同時接続数に応じて最適化する必要があります。
設定例(application.yml):
spring:
datasource:
url: jdbc:mysql://db-master:3306/flowable_cluster
username: ${DB_USER}
password: ${DB_PASS}
hikari:
maximum-pool-size: 30
connection-timeout: 20000
3. ノード固有設定の適用
各サーバーノードの設定ファイルにおいて、非同期実行器の名前を一意に定義します。これにより、ジョブの二重実行や競合状態を回避できます。
設定例(application.yml):
flowable:
async-executor:
name: async-worker-node-01
lock-time-in-millis: 300000
4. 負荷分散機構の導入
クライアントからのリクエストを均等に分散するため、クラスタ前方に Nginx や HAProxy などのロードバランサーを配置します。これにより、特定ノードへの負荷集中を防ぎ、ヘルスチェックに基づいた自動フェイルオーバーを実現できます。REST API エンドポイントへのアクセスは、すべてロードバランサー経由で行う構成が望ましいです。
5. キャッシュ同期の戦略
クラスタ環境では、プロセス定義のキャッシュ管理が課題となります。ノードごとにキャッシュを持つため、定義更新時には全ノードのキャッシュクリアが必要です。RepositoryService を利用してキャッシュを清除する際、クラスタ全体に波及させる仕組みを用意する必要があります。
6. 監視と障害検知
システムの健全性を保つため、JMX や Prometheus などの監視ツールを用いてメトリクスを収集します。ノード障害が発生した場合、ロードバランサーが自動的にトラフィックを正常なノードへ振り分ける設定を確認してください。
7. 導入ステップの概要
- 高可用性データベースの準備とスキーマ作成
- 各ノードへの固有識別子と DB 接続設定の適用
- Flowable Engine アプリケーションのデプロイ
- ロードバランサーのルーリング設定
- ノードの起動とクラスタ状態の検証
8. 運用上の課題と対策
- ジョブ競合: 実行器名の一意性を厳格に管理する
- データ整合性: トランザクション隔離レベルとロック機構の適切な設定
- キャッシュ不整合: 定義変更後のキャッシュ無効化プロセスの確立
- パフォーマンス: 負荷に応じたスレッドプールと DB コネクションのチューニング