Linuxのmoreコマンドは、大規模なファイルをページ単位で表示するためのユーティリティです。ファイルの内容が一画面に収まらない場合に、catコマンドのように一括表示せず、ユーザーがページごとに確認できるように設計されています。
基本構文
bash
more [オプション] ファイル名
主なオプション
| オプション | 説明 |
|---|---|
-n |
1ページあたりの行数を指定(例: -10は10行ずつ表示) |
-d |
操作ガイドを表示(「スペースキーで次へ、qで終了」などのメッセージを表示) |
+n |
n行目から表示を開始(例: +5は5行目から表示開始) |
主な操作キー(moreモード中)
| キー | 機能 |
|---|---|
| **スペースキー** | 1ページ分スクロール(最もよく使われる) |
| **Enterキー** | 1行分スクロール(逐行確認) |
| **b** | 1ページ戻る(一部のシステムのみサポート) |
| **q** | moreモードを終了(必須の操作) |
| **/検索語** | 検索語を含む行を下方向に検索(nキーで次の一致箇所へ移動) |
| **=** | 現在の行番号を表示 |
| **:f** | 現在のファイル名と行番号を表示 |
実行例
1. 大きなファイルのページ単位表示
sample_data.txtというファイルを表示(内容が1画面より多い場合):
bash
more sample_data.txt
- 実行後、1ページ目が表示され、下部に
--More--(xx%)(xx%は表示済み割合)が表示される - スペースキーで次のページへ、qキーで終了
2. 1ページの行数を指定(-nオプション)
notes.txtを5行ずつ表示:
bash
more -5 notes.txt
- 5行ずつ表示され、下部に
--More--(xx%)が表示される
3. 指定行から表示開始(+nオプション)
article.txtの10行目から表示:
bash
more +10 article.txt
4. 操作ガイドの表示(-dオプション)
data.txtを表示時に操作ガイドを表示:
bash
more -d data.txt
- 下部に
-- スペースキーで次へ、qで終了、?でコマンド一覧 --などのメッセージが表示される
5. パイプでコマンド出力のページ表示
ls -lやps auxなどの出力をページ単位で表示:
bash
# /etc配下のファイル情報をページ単位で表示
ls -l /etc | more
# プロセス一覧をページ単位で表示
ps aux | more
注意点
- 前方スクロールの制限: moreは「片方向ページャー」であり、bキーによる前方スクロールは一部のシステム(Linuxなど)でサポートされており、lessコマンドほどの柔軟性はない
- 終了方法: qキーを押さないとmoreモードから抜けられず、他のコマンドの実行ができない
- catとの違い: catは小規模ファイルの表示に適し、moreは大規模ファイルのページ単位表示に適している
moreは長文テキストの基礎的なページ表示ツールとして、シンプルな操作で利用できます。より高度な機能が必要な場合は、lessコマンド(moreの強化版と呼ばれる)の学習がおすすめです。